93y MK9 メイフェアー 1.3i A/T
ベース モーリスミニマイナー 1号車
621 AOK STANCE
オールドイングリッシュホワイト

ホワイトダイヤモンドのA/T車が入庫しました。前オーナーはここ2年ほど、アレックでのメンテナンスを続けてまいりましたが、このたび渡米のため、アレックで引き取らせていただきました。フロントはボンネット加工を済ませ、MKIグリルが付くようにしてあります。サイドマーカーも、LUCASを当時の位置へ取り付け。これらはアレックでやらせていただきました。

同じく、テールはMKIテール。トランクはライセンスプレートパネルにルーカスライセンスランプが付いております。一通りのパーツを外し、サビ・腐り等の確認をします。さすがにこの年式は腐りが少ないです。94年頃までが腐りにくいと言って良いでしょう。

室内もすべて取り去り、フロアーやドアーのサビ等もすべて点検します。このMINIも、それなりにサビが出ているところがありますので、すべて一度リフレッシュします。

アレックでいじったことのない部分の配線はすべて外して確認します。

前後のガラスからの雨漏りもあり、ガラス類はすべて外してゴム類交換のボディーリフレッシュとなりますが、とりあえず安心して乗れる1台を作りますので、ご期待ください。

仕上げは、オーソドックスなMKI STANCEでホワイトのボディーを生かそうと思っています。10インチでミニライトアルミホイールに、165ラジアルモール付OVFにして(車検対応にこだわる)外回りはヴィンテージなイメージで作り上げたいと思っております。インテリアは、せっかく純正ウッドパネルが付いていますので生かして、A/Cの効きも重視しようと思っています。今後のスケジュールは、A/TミッションO/H・ボディー回りリフレッシュ・内装仕上げ・ゴム類オール交換が主要項目です。完成までは1〜2ヶ月かかると思います。

ローでの発進時にガコガコガコと嫌な感じ。さらに3RDから4連へ入る時のすべり。これが気になったので、ガレージミニノースランド スペシャル強化対策A/Tに交換することにしました。

ガレージミニの横浜支店の工場長はさすがに早い。1.3i〜96y A/C付でエンジンを下ろしはじめてからこの状態に吊り上げるまで、なんと45分。

完全に吊り上げられたE/Gコンプリート メカニカルポンプのメクラよりOIL漏れ タイミングシールよりOIL漏れ ラージシールよりOIL漏れ

A/Tミッションとエンジンを分解。

左上のオイルポンプのボルトが折れて中に残っていた。ブロックを傷めず取るのがプロの技かな。さすが。

アレックは、この時メタルを見てE/Gオーバーホールが必要か確認したかった。ミニのメタルはコンロット・メインB/g・サイドメタル等はこの状態で確認できる。

メタルもキレイで、E/Gブロック内は大変良い状態だったので安心。

このあと外したこのA/Tをバラして見せてもらったが、バンドは擦り減り、トップ&リバースのクラッチが擦り減っていたが、まずまずのちょうど替え時の減り方。それよりフォアードクラッチのプレートがバラバラになっていた。ローの発進時のガコガコはこのせいであった。

タイミングシールもタイミングカバーのP/Kもついでに交換。

完成済のノースランドミニスペシャル強化対策A/T 〜96y

組み上がったコンプリートは、完全にOILが空なので8.5L入る。通常はコンバーターに3Lくらい残っているので、OIL交換が5Lとか5.5Lというのはそういうことです。

エンジンマウント・トルクロットB/S・ダウンパイプG/K すべて交換してエンジンを積む。

LLCを入れエンジンに火を入れる。

ロードテストも終わり。バッチリです。

2007年10月
例によって方針が少々変わりました。さらなるグレードUPをはかることにしました。というのも、ノースランド強化対策A/Tに交換し抜群によみがえってしまったからです。ロードテストも終わりバツグンに調子の良いA/Tになったので、オールドイングリッシュホワイト(OEW)一色にオールペイントしてあげることにしました。そうです。イメージはモーリスミニマイナーの1号車 621 AOKです。A/Tらしく、おとなしく、さりげなく。
OEWといっても、アレックのOEWはMKIの本物のオールドイングリッシュホワイトから色見本を作って、ここ20年ぐらい変わらぬOEWを再現しております。

オールペイントから戻ったらとりあえず行うことは、ヘッドガスケット交換とシリンダーヘッドを完全O/H済(常に〜96y・97y〜を用意)・ヘッドバルブガイド交換・バルブ研磨・バルブシート合せ・バルブすり合せ・面研磨・バルブシール交換と、品質とクオリティーは統一してあります。ヘッドは7万K/m前後で完全にO/Hすると、パワー・燃費・排ガスのクリーン化等、ぜんぜん違ってきますのでおすすめです。

早速バラし始めた。フロントガラスの下側両サイドは雨漏れの後遺症で錆びていた。思ったよりひどくはないが、バッチリ鈑金することに。

左ドアーはわりとキレイですが、ほんの少しサビがありますので鈑金します。右側も同じように鈑金します。

ヘッドライトASSY・メーター回りと外し始める。完成のイメージはすでに出来上がっています。アレックは、販売するミニを作っている時はいつも、次はこんな感じのミニに乗りたいなと、自分の好みで1台1台違うコンセプトで作り続けています。

クオーターは、はめ殺しのゴムを外すと下のほうにうっすらサビが出ていたので、ここも鈑金。ドレスUPパーツ以前に、まずボディーが大切ですから。

メータ‐回りを外すと、さすが93y、バルクヘッドにセンターメーターのなごりの穴のあいたパネルが見える。そう、この年式までのボディーが腐りにくいボディーなんです。

ウッドパネルはマルコ製の後付けでしたが、裏の止めの部分がもげているので取り外し、やはりセンターメーターにしようと思います。メーターはノ−マルの純正でした。走行62,666K/m 過去の記録簿やアレックのここ2〜3年のメンテの記録と照らし合わせても、ほぼ実走行に間違いないので、センターメーターもスミスの140K/mを日本計器さんでO/Hしてもらい、走行K/mとファイナル3.2の10インチでメーターの調整もお願いすることにしました。

サイドマーカーは生かします。ライトASSYを外すとサビはなし。このミニも良くなりますよ。

室内もカーペットをはがし、フロアーの鈑金も行う。というのも、アンダーコートをはがしているところですが、アンダーコートの下で腐っていることが多いので。さらに、過去にリフトで上げる際に、ミニ屋では絶対にリフトをかけないフロアーで上げた形跡もあり、ここもキチンと鈑金します。

右のドアーのウェザーストリップを取ると、1ヶ所だけサビが出ていました。まだ表面だけで手遅れではないので安心です。

リヤ回りは、アレックでMKI仕様にしただけあってキレイです。リヤガラスも相当雨漏りしてましたが、腐りはナシでした。

左側も、ドアーウェザーストリップの中で錆び始めていた。さあ、これで修理するボディー回りがリストUPできました。すでに90年前後のミニもレストアしてあげて、また長く乗る時代です。もしこのミニが普通の中古車屋に入っていたら、とりあえずは走っていたMINIですから、外だけ磨いて現状で30万円ぐらいで売るんでしょうが、アレックはそんな事はしません。なぜなら、次に買った方がかわいそうなことになります。なにより、このミニの生命の存続すら危ぶまれるからです。大切に永く乗ってもらえる方に受け継いでもらいたい、そんな気持ちを込めて、スタッフ一同真剣にやっています。

フロアーのアンダーコートをはがしているところです。アンダーコートとフロアーパネルの間に水がしみていました。「はがして良かったですよ。」とメカがつぶやく。そうです。気が付かなかったら、数年でフロアーボロボロ、なんてことになっていたかもしれません。

本日は10月5日
これよりボディーショップへ入ります。オールドイングリッシュホワイト一色のボディーが楽しみです。

後日、ガレージミニ横浜支店工場長が、バラしたときの画像を送ってくれました。とりあえずは普通に走っていた1.3i A/Tですが、バラしてみると時間の問題だったようです。バンドもかなり擦り減っていましたがはがれもなく、相手側のケースも削りえぐることもなくまずまずでしたが、当然ガレージミニの強化スペシャルバンドにすべて交換です。

フォワードクラッチの中のエンドプレートがバラバラに中で折れていました。ハウジングで回りがガッチリ囲まれていますので、ガコガコと嫌な音と感触がしましたが、とりあえず発進していたというわけです。

これが新品のエンドプレートです。違いが歴然です。

クラッチプレートは、もうほとんど擦り減っていました。ガレージミニの強化クラッチプレートとは、この部分が強化プレートになります。

トップ&リバースもかなり減っていましたが、すべて強化クラッチプレートに交換されます。

スピードメーター140K/mが、O/Hから戻ってきました。新品のメーターのようです。

オドメーターも、実走行の62,666K/mに合せてもらいました。ファイナル3.2で10インチにインチダウンしたミニに合わせて調整していただきました。

O/Hと言っても、ギアーBOX積算計・各ギアー等、中身全とっかえ、そんな感じです。こうして1品1品が準備されていきます。

2007年10月22日 オールペイントからオールドイングリッシュホワイトが戻ってきました。実に良い色が出ています。タイヤハウスやトランクルーム、隅々までOEWでペイントしました。

自走も出来るように運転席だけは付いていますが、フロント・リヤの隅々まで色が入っています。

今回、オールペイントとオーバーフェンダーレスにしました。過去のOVFの穴も全て穴埋めしてありますが、インチダウンしてもディスクブレーキ装着車はトレッドがクーパーSと同じようになりますから、4.5Jホイールでははみ出してしまう。Fフェンダーは加工してあります。

トランクルームのペイントはガソリンタンクも外し、隅々までペイントしてあります。フロアーの腐りもありません。

アンダーコートをはがして良かったフロアーも鈑金して、新たに防音・防震パットを貼りペイント。

センターメーターにするため、ダッシュにある両サイドの穴は穴埋めしてペイントしてあります。

ルーフ回りも一周サビ取りをし、シーリングもキッチリやり直してからペイントしてあります。

上から見ると、ミニの丸みのある美しいボディが良く分かります。

サビの出ていた左ドアー下やウェザーストリップの付く耳もキレイに仕上がっています。

右のドアー回りも同じく鈑金がされサビひとつない美しいドアー回りになりました。

2007年10月23日 なんと、アレックのプロデュースでMKI モーリスミニマイナーのオールドイングリッシュホワイトの内装を再現してみました。当時物はフレック柄ですが、生地だけは手に入らないので、雰囲気と色合いのバランスを考え、タータンレッドは濃い目にし、グレーは本物のフレック柄が落ち、白っぽくなったグレーをイメージして、淡いグレーを選んでみました。パイピングがグレーだと内張もグレーです。

ヘッドレストはタータンレッドにしました。当時はヘッドレストはいらなかったのですが、やはり安全面や車検対応を考えて、わざわざタータンレッドにグレーのパイピングにしてもらいました。シートの座面や背もたれの部分の縦の線は、安物のミシン目ではなく、当時と同じ間隔でウエルダー加工でプレスラインを表現しています。長く座っていても、ミシン目のところから切れてくるということはないと思います。

どんなインテリアになるのかディスプレイしてみました。フラッシュを使っていますので白っぽく反射していますが、品の良いファリーナグレイのようなグレーです。赤・グレーのシートは難しく、赤が明るすぎてグレーが濃すぎると、実に品がなくなります。

上から見ますと、実にヴィンテージなシートです。1959年のモーリスミニマイナー1号車 621AOKの雰囲気を少しでも出したいと思って制作した内装フルセットです。

ボディーをもう一度、上から見てみましょう。オールドイングリッシュホワイト一色で塗られたボディーに

この内装一式を、赤いカーペットフルセットを敷きつめたフロアーに取り付けます。想像しただけでワクワクしてきますね。

2007年10月26日
レギュレターハンドル・ドアーインナーハンドルは、クラシックタイプのメッキをチョイスしました。シートに合せて、ドアープルハンドルはレッドのレザーをあしらってみます。良い感じではないでしょうか。

フロントのエンブレムはモーリスミニマイナーの当時物です。USEDですがシブイ感じです。リヤエンブレムはミニマイナー。こちらは新品。その横にあるのはグリルサラウンド。そうです。MKIのヒゲです。

メーター回りの部品が揃いましたので、並べてみました。

O/H済のスピードメーター以外は、すべて新品をそろえました。ハーネス・OILプレッシャーパイプ・水温計・油圧計・FUELゲージ・VOLTAGE スタビライザー・メーターケーブル

ディンキーさんのNEWタイプA/Cパネルです。純正ウッドパネルのルーバーを使うタイプです。

ペーパーで研ぎ、ボンドの付きを良くして、S/Wの大きさに合せてカットし

内張りと同じレザー張りにしてみました。こんな感じです。

完成間近なMKIモーリスミニマイナーSTANCE 予定通り、シリンダーヘッドを完全O/H済ヘッドへ、交換が始まりました。

外したシリンダーヘッドです。2番のEXバルブが黒くなっていました。若干のOIL下がりがあったようです。O/H済ヘッドに交換いたしますので安心です。

シリンダーブロックもキズもなくシリンダーの摩耗も少ないです。A/T交換時にOILポンプもO/H済です。タイミングシール・ラージシール・エンジンマウントすべて交換してますので安心です。

2007年10月30日
完全O/H済シリンダーヘッドとヘッドG/K等すべて交換し、タペット調整も当然すませました。ロッカーカバーもヘッドと同じBMC エンジングリーンでペイントしました。ウルトラブルーポイントプラグコード・HKSスーパーパワーフローは生かして、スッキリとキレイなE/Gルームになりました。
エアコンのGASチャージも済ませ、バッチリです。

マフラーも純正ノーマルマフラー BSCC用を取り付け。カッコ良くて静かです。前後はオーバーライダー&オーバーライダーバーを取り付けました。
ドッシリと見えます。

足回りは、ショックがビルシュタインが付いていたので生かすことに。4輪にアレックオリジナルスペシャルビレットアジャスタライドを組み、ナックルジョイント交換をしました。

MKI STANCEらしく、グリスニップルカバーをナッターとビスで取り付け。雰囲気が出ます。

ドアーの内張りです。ファリーナグレイのドアーの内張りにメッキのクラシックハンドルが良く似合います。ワンポイントのドアープルハンドルは本革製のもので、良い感じです。

ドアーミラーは色々迷いましたが、LUCAS TYPE フェンダーミラーを、アレックオリジナルのドアーミラーステイLUCAS専用をOEWにペイントして付け、ミラーを左右逆にドアーに付けると、このような今までにないようなインパクトがあります。しかも良く見えます。

フロントの足回りです。ミニらしくラバーコーンを生かし、SPビレットA/Jライドでソフトにしながら、ビルシュタインで上下のバウンドをしっかり抑えます。

顔です。かわいいですね。マイナーレーシンググリルを同色にペイントしグリルボタンで付けています。フロントバンパーもヴィンテージなオーバーライダー&バー付きです。

メーター回りはレザー貼りをしたA/C Kitが自然に打ち解けています。細かい仕上げはまだまだ残っていますが、このような感じで仕上げも最終段階に入ろうとしています。完成したらきちんとUPしますので、お楽しみに。

2007年11月1日
ほぼ完成!いつでも乗れます。実に上品に仕上がったと思います。価格の合計等はまだ出し切れませんが、200万円前後になると思います。モーリスミニマイナーMKI 850 STANCE オールドイングリッシュホワイト いかがですか?

リヤから見たところです。さりげなく開いているドアーが良い感じに仕上がってます。クォーターガラスは開閉式に交換いたしました。

リヤガラスから覗き込んだところです。メーター回りやシートが良くマッチしています。

ミニはクォーターガラスのまわりがメッキになっていると雰囲気が出るから不思議です。

インテリアです。センターメーターK/m数合わせ済O/H品のスピードメーターです。他はオール新品です。左側はエアコンの吹き出し口です。ステアリングはミニクラブマンの当時物をOEWでペイントしました。シートも良い感じに仕上がりました。CDデッキはナカミチです。

タイヤのはみ出しはギリギリOKという感じです。車高もピシッとしています。ガラス越しに見えるOEWのステアリングがレトロな感じでカワイイと思います。

インテリアは大切なアイテムですが、後ではなかなか出来ないものです。最初からここまで仕上がっていれば、あとはあなたのお好みで、もう少し良くしていただければこのミニも喜ぶと思います。そして大切に長く乗ってもらえれば、と思う1台です。

完成したエンジンルームです。オルタネーターは新品に交換しました。

気品と風格が感じられるどっしりとした趣です。

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